1 電池

 ダニエル電池燃料電池の作成に取り組みました。

セパレーター(イオンが通過できる塩橋)の研究にも取り組みました。

電池の原理

負極活性物質(還元剤)と正極活性剤(酸化剤)の組み合わせ

負極活性物質と正極活性剤が混ざらないように、セパレーター(イオンが通過できる素焼き板、塩橋等)で仕切る。

回路の形成(水溶液中はイオンが移動、導線中は電子が移動)

活性炭電池

アルミホイルと活性炭

負極:Al → Al3+3e-

正極:O2+2HO+4e- O-

ダニエル電池

負極:Zn→Zn+2e-

正極:Cu2+2e-Cu

全体:ZnCu2+2e-→Zn+Cu

回路の形成(水溶液中はイオンが移動、導線中は電子が移動)

セパレーター:イオンが通過できる。(素焼き板、塩橋等)

長時間使用する工夫

硫酸亜鉛水溶液は薄く、硫酸銅水溶液は濃くする。

研究の様子

燃料電池

2H+O2→2H

の反応で発生するエネルギーを電気エネルギーで取り出す。

リン酸水溶液中の場合

負極:2H→4H+4e-

正極:O2+4H+4e-→2H

水酸化カリウム水溶液中の場合

負極:2H O- 4HO+4e-

正極:O2+2HO+4e- O-  

HとO2が接触しないようにし、回路を形成して徐々に反応させる。(リン酸水溶液中、または水酸化カリウム水溶液中を水素イオンが移動、導線中は電子が移動)

展示の燃料電池の電解液は水酸化カリウム水溶液中。

天然ガスなどを使って必要な場所で必要なだけ発電できる、クリーンで無駄の少ない電池。ビルに設置するような大きな設備や個人住宅用から、好きなところに設置できるポータブルなものまで研究されています。また、今話題の電気自動車の動力源としても期待されています。

スライム電池

 ダニエル電池には電解質を分離するために隔膜が必要であるが、スライムのようなゲル状物質でも隔膜と同様の機能を示すのでないかと考えた。そこで電解質にスライムを混ぜた電池を考案したのである。

@     塩スライム

炭を利用した電池には食塩水が必要となるので塩水をスライム化してみた。

手順としてはスイライムの元となるPVA(ポリビニールアルコール)に塩水をよく混ぜ合わせ、ほうしゃを入れるだけである(先にスライムを作り、電解質につけてもスライムの吸い込みが悪く、よく混ざらない。)しかし、出来上がったスライムは空気を多く含んでいないのにもかかわらず、白濁し、スライム特有の自己修復機能がやや劣っていた。このスライムを利用して炭電池を作成したところ、通常の塩水を利用したときと同じ、約0.9Vを示した。

飽和状態の食塩水に同様の操作を行った場合、出来上がったスライムは上記のものよりも白濁し、自己修復機能はほぼ皆無であり、くっつきにくい。また、水分をあまり含まず、ガム状であった。

A     硫酸銅スライム

これはダニエル電池に必要な電解質をスライム化し、電池に利用するための実験である。手順としては上記と同じく、硫酸銅水溶液にPVAを混ぜ、ほうしゃを入れるだけである。がしかし、出来上がったのはスライムとしての性質をほとんど示さない(まとまらない、くっつかない、変形しにくい、など)うす緑色の沈殿物であった。その後の研究で、硫酸銅水溶液をスライムにする上で重要なのは硫酸銅水溶液の濃度であることがわかった。最初の実験のときに利用したのは1mol/?の濃度であったが、約0.2mol/?の濃度で行うと緑色で、通常よりもやや変形しにくく、しかし、自己修復機能はほぼ保つ、やわらかいスライムができた。

B     硫酸亜鉛スライム

   上記と同じくダニエル電池に利用するための実験である。手順は上記と同じである。はじめに1mol/?の濃度の硫酸亜鉛水溶液を用いてスライムを作った。硫酸銅と同じく、スライムとしての性質をほとんど示さないものが出来上がることを予想していたが、出来上がったスライムは白濁して弾性が弱く、ややもろいが、スライムとみなすには十分な性質(まとまる、くっつく、変形しやすい、など)を持ち合わせていた。しかし、このスライムは電池に使うと不便なので、ダニエル電池を作るうえで最適とされる0.05mol/?の濃度でスライムを作ってみた。出来上がったスライムは上記のスライムのように白濁しているが、弾性は高くなり、もろさはなくなった。濃度の高い電解質でスライムを作るとスライムに含まれる水分が少ないため、電解質が析出し、それがスライム同士の結合を妨害し、スライムの性質を大きく変化させたと考えられる。

上記のA,Bのスライムを用いたダニエル電池は約0.9Vを示した。スライム自体の抵抗は決して小さくないので電圧が落ちたと考えられる。

 塩スライム…………30Ω

硫酸亜鉛スライム…256Ω

硫酸銅スライム……400Ω

 塩橋…………………15Ω

 普通のスライム……500Ω

 ただし、電解質を混ぜたスライムの抵抗は電解質の濃度によって変化するので上の値は当てにできない。

 ※塩橋とはダニエル電池に使われる一般的な隔膜で、寒天に塩(塩化カリウム)を混ぜて固めたものである。

しかし、このスライムダニエル電池は電解質のスライムをつなげるだけで電池となり、予想したとおり隔膜は不要であり、おまけに、スライムがゲル状であるので、傾いても電解液がもれる心配もない。市販の乾電池は電解質をペースト状にしているので、ある意味このスライム電池も乾電池の一種といえるかもしれない。

翠巒祭の様子

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